愛犬の似顔絵

リアル

今回は「リアル」について。


モノクロペットアートでは毛を一本一本描かずに割と束や固まりとして描きます。

それなのにリアルに感じるのはどうしてなのかしら?と他人事のように考えます。

それは全部描かずにチラリズムのような、想像の余地を残す方がリアルに見えるからではないでしょうか?

例えば、小説よりも俳句が人の心に染み込むような…そんな感じでしょうか?

省略する事で本筋が見えてくるような。

もしかしたら僕自身がミニマリストとして余り物を持たない暮らし方を実践しているからかもしれません。

写真とは別物の空気感とか雰囲気とかなんとなくそんな感じというやんわりした存在感も含めて、独特なリアルな絵になるのかなぁ?って考えています。

写真は一瞬を記録したデータですが、そのデータを元に記憶の中にあるその姿を描くからこそ、リアルに見えてくるのかもしれません。

色彩を使わずにモノクロの色合いだけで描く技法。

それに、背景を描かないスタイル。

削ぎ落とすほどに見る方の記憶がそこに投影される余地が増えるような気がします。

記憶は美化されると言いますが、それもリアルというものの正体の一つなのかもしれませんね。

2021-08-03 | Posted in モノクロペットアート