塩梅

お客様からのご依頼のお写真を預かってから、
しばらくの間はそれを眺め時間を取るようにしていいます。
最初に見た時の印象、次に見た時の印象と見るたびに印象はどんどんと変わり、初見では気づかなかったことに気が付きます。
どうしても毛並みや毛の色などに目が行きがちなのですが、
眺めている間に毛皮の下の筋肉や骨格に気付きます。
骨まで意識が向かったら、またぼーっと全体を眺めているうちに、性格とか感情とか想いとかがなんとなく伝わって来ます。
撮られた時の天気とか時間なども光の加減でわかりますし、周りの景色や一緒に写っているもので季節なども知ることができます。
見る時間が多くなるほどそのお写真から得られる情報が増えて、その子のことをよく知ることができます。
一瞬で捉える概観、じっくり捉える細部、滲み出てくる情景と言う順番で観察し終わってから描き始めます。
そして全部を捉えた中で残したい部分と省きたい部分を考えながら描き始めます。
全てを描いてしまうと気障(キザ)になってしまい、
上っ面だけなぞると野暮になる。
その中間のちょうど良い塩梅を探して粋に仕上げる。
文字に書くといかにも出来ているように聞こえますが、
まだまだ序の口これからもっともっと学び続けなければと日々反省です。
2021-01-22 | Posted in モノクロペットアート