モノクロペットアート

間合いのリアルさ

作品展やイベントなどで作品をご覧になった方が「本物みたいにリアル!」って驚かれるのですが、写真そっくりに詳細に描くと逆に生気を失った剥製のように見えることがあります。

ご依頼されるお客様が望んでいらっしゃるのは可愛い我が子の姿をより良く描いて欲しいと言う望みですから、写真の通りに描くだけではその望みに叶っていないことになり、ご期待に添えていないことになってしまいます。

表現するのは息遣いを感じられるようなリアルさで、決して虫眼鏡で粗探しをするような超細密画の表現ではありません。

写真に記録された一瞬の表情に、ご注文時に添えられたメッセージを重ね合わせてその子の姿だけではなく、飼い主様への気持ちや思いを想像しながら描くようにしています。

何もかも描き込んでしまうと窮屈で野暮になってしまいます。細かく描かずにさっと描く部分、細かく描く部分の兼ね合いは毎回作品ごとに変わりますから、100匹いたら100通りの描き方がそこには存在するのです。

それもこれもその子らしい姿をより良く描くため。

メッセージの行間に潜む、言葉にならないその子への想いも描けるようにとの想いからです。

2020-12-22 | Posted in モノクロペットアート